(特に欧州を中心として)行政府による厳しい消費電力規制が業界に適用され始めているため、液晶テレビ、セットトップボックス(STB)、多機能プリンタ(MFP)など従来からの家庭用およびオフィス用機器は、本来の機能を実行していないときの電力を表す待機電力(または"ファントム"電力)の削減方法が入念に調べられています。国際エネルギー機関の計算によると、全世界のCO2排出量の1%が待機電力によって発生しています。同様の計算によると、航空業界全体が全世界のCO2排出量に占める比率は3%未満です。
最新のEnergyStarおよびEC Code of Conduct(行動規範)を製品が順守していることを確実にするため、設計者はシステムが省電力モードで動作する時間を増やすための新しい方法を模索しています。PLDを利用すると電源最適化とスタンバイ動作の柔軟性が増し、システム全体レベルで1 W未満のスタンバイ電源モードを実装できるため、専用PLDリソースはシステム全体で電源管理を統合する手助けとなります。
PLDは、システムがアイドル時に電源を切断したり、スタンバイ/スリープモードにできる回路を可能な限り増やすために使用されます。
クロックゲーティングは、多くの同期回路で使用される省電力テクニックの1つです。電力削減のためクロックツリーを切断するロジックがクロックゲーティング用回路として追加されることで、回路の一部が不動作状態にされて、その部分のフリップフロップの状態が変化しなくなります。安価な水晶ピアースRC回路とCPLDを組み合わせると、自動ハードウェア・クロックゲーティング手段を提供できます。次に示す回路は、スマートフォンなどの携帯機器でよく使用されるリアルタイムクロック(RTC)源である32.768 kHzの、ゲーティング処理実装例を示しています。

クロック分配とゲーティング処理
ラティスが提供するアプリケーションノートAN8080 Using a Discrete Crystal as a PLD Clock Sourceには、ディスクリート水晶回路設計の詳細が説明されています。
待機電力の削減という問題に対する技術的解決策の1つとして、無負荷時または非アクティブ状態がある程度続いた場合に電源オフし、必要に応じて速やかに復帰させるスマート電子スイッチがあります。PLDを、一般的なアプリケーションチップセットと組み合わせて使用すると、待機電力を削減すると同時に、主要プロセッサの電源をオンし、システムイベントを検出するために必要な時間を短縮することができます。電源管理は、特にセットトップボックス、コンピュータ、およびモニタやプリンタなどのコンピュータ周辺機器といった一部の電子機器が持つ、非アクティブ状態のときに電源オフしたり、システムを省電力状態に切り替える機能です。
次に示すセットトップボックスのアーキテクチャでは、プログラムの更新や登録されたコンテンツが中継局からユーザにプッシュされると、アドレス指定されたアイドル状態のセットトップボックスが、その到来によって"ウェイクアップ"されます。ispMACH 4000ZEなどの省電力CPLDはシステムスリープ・マネージャとして機能し、イーサネットパケットが到着すると、機器の大部分を電源オフまたはスリープ状態にしてファントム電力を最小限に抑えたまま応答します。

IP TVセットトップボックスのWake on LANの例
世界中でイニシアティブが始まった省電力PLDはさまざまな役割を持って出現し、アイドル状態のチップセットを起動するスマートエネルギー効率スイッチとして機能します。また、安価な水晶と統合すると、クロックネットワークのゲーティング処理が可能です。
ispMACH 4000ZE CPLDファミリの詳細と、開発キットやアプリケーションノートのなどの設計リソースについては、次のリンクをご覧ください。